大麻比古神社(おおあさひこじんじゃ)のドイツ橋とメガネ橋【徳島県】

大麻比古神社は「おおあさひこじんじゃ」と読みます。

地元の人は「おおあささん」とか「おおあさはん」と親しみをこめて呼んでいます。

阿波国 一宮としても有名なこの神社は、身近な存在として古くから崇拝されてきました。

徳島はとても穏やかなところで、人も優しく、第一次世界大戦で捕虜になったドイツ人との交流など、素晴らしい逸話がたくさん残っていました。

大麻比古神社の奥に続く道を歩いていくと、メガネ橋とドイツ橋が今でも残されています。

メガネ橋とドイツ橋

本殿でご参拝をしてから、案内表示に従って歩いていくと、メガネ橋とドイツ橋があります。

▲メガネ橋です。

 

▲ドイツ橋です。今は封鎖されて渡れなくなっています。

この二つの橋は、第一次世界大戦の最中に捕虜になったドイツ人が鳴門市民へのお礼として作った橋です。

大正三年、日本は当時同盟国だったイギリスの要請で、ドイツに宣戦布告しました。

当時ドイツ領だった中国のチンタオを攻撃して勝利を治め、その時敗れたドイツ兵は、捕虜として日本各地の収容所に連れてこられました。

鳴門市の収容所には953人のドイツ兵が連れてこられました。

所長であった松江豊寿所長は人権を尊重する人であり、捕虜に人として手厚く接し、外出も自由にしたり、音楽団の形成、地元民とのふれあい、演劇の上演など、自主性を重んじました。

鳴門の人たちも、「ドイツさん」と呼んで親しくしていました。

ドイツの人たちは、鳴門の人たちに、牧畜やお菓子作り、パンづくり、建築など、母国の様々な技術を伝えたそうです。

中でも有名なのが楽団で、ベートーヴェンの「交響曲第九番」は国内で初めて演奏されました。

ですから、鳴門市は「第九のふるさと」ともいわれています。

第一次世界大戦が終結するまでの3年間、ドイツ兵たちはここで過ごしました。

その時、鳴門市民との友情の証として、ドイツの優れた土木技術を活かして10の橋が造られました。

そのうちの2つがメガネ橋とドイツ橋です。

そのことは、『バルトの楽園』という映画で描かれています。

徳島の人の優しさに触れた気がしました。

大麻比古神社(おおあさひこじんじゃ)のご祭神は?

ご祭神は、大麻比古大神と猿田彦大神の二柱の神様です。

大麻比古大神(おおあさひこのおおかみ)

大麻比古大神(おおあさひこのおおかみ)は、阿波国を開拓した阿波の忌部氏(いんべし)の大祖先の神様です。

神武天皇の御代に、忌部氏(いんべし)の子孫が国土を開拓して麻と楮(かじ)の種を播きました。

麻布や木綿をつくって郷土の産業の基を開かれたのです。

国土開発の事業が成った後に御先祖の神様 天日鷲命(あめのひわしのみこと)をおまつりしましたのが忌部神社(いんべじんじゃ)です。

忌部神社のご祭神である天日鷲命(あめのひわしのみこと)の大先祖の神様が天太玉命(あめのふとたまのみこと)で、この神様を大麻比古神社でお祀りしています。

猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)

猿田彦大神は、天孫降臨(てんそんこうりん)の時に道案内の役をつとめられた神様です。

大麻山(おおあさやま)の峯にお鎮まりになっていましたが、大麻比古神社に合わせて祀られるようになりました。

猿田彦の神様は親しみの深い神様で、お祭りでは神輿(みこし)の先頭に立って天狗のお姿をして神輿の先導をされます。

災難や禍をもたらすものを祓い退けてくださる神様です。

大麻比古神社(おおあさひこじんじゃ)のご利益

方除(ほうよけ)、厄除(やくよけ)、交通安全の御加護をお授けくださり、今も多くの人々から信仰されています。

大麻比古神社(おおあさひこじんじゃ)の御朱印帳

御朱印帳は、オリジナル御朱印帳と全国一の宮御朱印帳がありました。

オリジナル御朱印帳には、麻の葉の刺繍がしてあります。

通常の麻の葉の紋とは異なり、葉がギザギザとしたもので、「向う真麻の葉」と呼ばれる形です。

大麻比古神社(おおあさひこじんじゃ)の境内の様子

鳥居をくぐって参道を進むと、大麻比古神社のシンボルともいえるご神木の大楠が見えてきます。

樹齢はおよそ千年で、幹回りが8メートルもあります。

画面にも入り切らないほど大きなものでした。

枝葉で参道を覆ってしまうほど立派でどっしりとしています。

ご神木の裏側には、お食い初めに使う「歯固め石」の納め所になっていました。

ご神木を過ぎると、締め柱の先に拝殿が見えます。

祓串(はらえぐし)

拝殿前には祓串(はらえぐし)があります。

自分でお祓いしてからお参りすることができます。

ちなみ大麻比古神社では、御祈祷の際に、麻のみで作られた大麻(おおぬき)を使います。

古より伝わる大麻の原型だそうです。

豊受社

ご祭神は豊受大神です。

山神社(やまじんじゃ)

ご祭神は大山祇神(おおやまずみのかみ)です。

 

中宮社

ご祭神は不詳です。

中宮社の社殿は、伊勢神宮が使用していた御用材です。

式年遷宮した後に使われなくなった「撤下古材てっかこざい」で建てられていて、伊勢神宮のお下がりなんです。

それだけで御利益があります。

また、中宮社のさい銭箱には木槌が置かれています。

中宮社に祀られている神様は耳が遠いので、ご参拝する前にお賽銭箱の淵を木槌で叩いて、御挨拶に来たことを神様にお伝えするそうです。

知らないと、何のための木槌なのかわからないですね。

峰神社へは片道90分

大麻山の頂上には、奥宮である峰神社があります。

歩いて登ることができますが、片道90分かかります。

しっかりとした靴を用意して登りましょう。

大麻比古神社(おおあさひこじんじゃ)の行事

旧正月:神迎祭
2月3日:神火大祭
旧暦3月12日:大御神楽祭 湯立神楽
旧暦7月18日:奥宮例祭
11月1日:例祭

大麻比古神社(おおあさひこじんじゃ)はペットOK?

古くから、神社仏閣では「宗教上の理由により犬を連れての参拝はお控えください」などと表示され、動物が境内に入ることは禁止されているのが一般的でした。

そのため、ペットを連れて来るのは非常識と考える人が少なくありません。

しかし必ずしも全ての神社仏閣でペットNGというわけではありません。

最近では、「犬や猫も家族の一員」といった考えからペット同伴を認めるようになった神社も増えてきています。

大麻比古神社(おおあさひこじんじゃ)でも、ペットを連れての参拝は可能です。

私が参拝した時もペットを連れて境内を散歩する地元の方の姿も見られました。

それに、猿に注意の看板が多く、フンなども落ちていましたし、動物も自然の一部として受け入れている感じがしました。

大麻比古神社(おおあさひこじんじゃ)の詳細情報

所在地:徳島県鳴門市大麻町板東字広塚13

電話番号:088-689-1212

開門時間:6:00~17:00

公式HP:http://www.ooasahikojinja.jp/

電車でのアクセス

JR板東駅より徒歩約15分

大麻比古神社のバスでのアクセス

高速バス停留所「鳴門西」より徒歩約20分

車でのアクセス

藍住ICから約15分

板野ICから約10分

鳴門ICから約20分

無料(1000台)停められる無料駐車場があります。

 

大麻比古神社(おおあさひこじんじゃ)の周辺情報

大麻比古神社 ランチ

大麻比古神社(おおあさひこじんじゃ)をご参拝した後にランチを食べるなら、「元(げん)」という洋食屋さんがオススメです。

落ち着いた店内で、おいしい洋食が食べられます。

モーニングもやっているので、朝早くいってモーニングをいただくのもいいですよ。

住所:徳島県鳴門市大麻町板東字塚鼻124-2

電話番号:088-689-3754

営業時間:平日午前11:00~午後21:00・土日祝日午前 7:00~午後21:00 (ラストオーダー21:00)

ドイツ館・道の駅第九の里

ドイツ館は、第一次世界大戦中のドイツ人捕虜の生活と交流を今に伝える記念館です。

道の駅第九の里とも隣接しており、ランチも食べられますのでオススメです。

住所:徳島県鳴門市
電話番号:088-689-1119
営業時間:9:00~17:00

徳島ラーメン

少し車を走らせると徳島市街に出ますので、徳島ラーメンの店はたくさんあります。

いのたに 本店

住所:徳島県徳島市西大工町4-25

電話番号:088-653-1482

営業時間:10:30~17:00

大麻比古神社(おおあさひこじんじゃ)ご参拝のまとめ

徳島は、古来より日本の大麻文化発祥の中心地であったとされています。

せっかくなので、立派な麻のお守りをお受けしてきました。

また、ドイツ人との交流についても、知らなかったので、徳島県で捕虜のドイツ人と地元の人との交流があったことを素晴らしいと思いました。

 

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