蝶のような大きな耳が特徴で、気品ある見た目の小型犬「パピヨン」。
昔から海外では知能の高い犬種として評価されており、ドッグスポーツでも活躍している犬種ですが、日本国内では**「パピヨンってあまり見かけない」「なぜか人気がない」**と感じている人も多いのではないでしょうか。
実際、ペットショップのランキングでは常に上位にいるわけではなく、「飼いにくい」「性格が難しい」「吠える」といったネガティブなイメージも一部で根強いようです。
しかし、パピヨンが“人気がない”と言われる理由には、見た目・性格・しつけやすさ・飼育スタイルとのミスマッチなど、さまざまな背景や誤解が影響しています。
この記事では、パピヨンが人気ないとされる理由を具体的に解説しつつ、本当の魅力や飼うべき人のタイプ、後悔しないためのポイントを紹介していきます。
そもそもパピヨンはなぜ人気がないのでしょうか?
見た目の好みが分かれる?「気持ち悪い」と感じる人の声も
パピヨンが“人気ない”と言われる理由のひとつに、「見た目の好みが分かれる」という声があります。特にSNSや掲示板では、「耳が大きくて虫っぽい」「顔が鋭くて気持ち悪い」といった意見が見られることも。
もちろん、多くの飼い主にとっては「可愛い蝶のような耳」「高貴な雰囲気」といった魅力と映りますが、トイプードルやチワワのような“まんまるフェイス”を好む層には、シャープな顔立ちが少し個性的すぎると感じられることもあるようです。
また、成長とともに耳の毛がふわっと伸びていくため、幼犬の頃と成犬時で見た目が大きく変わることも、「想像と違った」と感じさせてしまう原因の一つです。
このように、パピヨンは万人受けする顔立ちではないため、第一印象で好みが分かれることが“人気の伸び悩み”につながっているとも言えるでしょう。
パピヨン 安い理由は?価格の裏にある需要の低さ
パピヨンがペットショップなどで「比較的安価に販売されていることが多い」という事実も、“人気がない”と感じさせる要素の一つです。
実際、同じ小型犬でもトイプードルやポメラニアンは20〜40万円程度することが多い一方、パピヨンは10万円台〜20万円前後で販売されているケースが目立ちます。
この価格差の背景には、**「需要と供給のバランス」**が大きく関わっています。
近年は“ぬいぐるみ系”の見た目を持つ犬種が人気を集める傾向にあり、パピヨンはどちらかというと「頭脳派」「見た目がシャープ」というイメージから選ばれにくくなっているのです。
結果として、供給過多になり価格が下がるケースも少なくありません。
つまり、価格が安い=価値が低いのではなく、“市場での人気トレンドと合わなかった”というだけ。このことを知らずに「安い=訳あり?」と誤解する人がいるのも、パピヨンが損をしている理由のひとつです。
パピヨン犬売れ残りは本当?ペットショップの現場から見る現状
「パピヨンは売れ残りやすい」と言われることがありますが、これは一部のショップで実際に在籍期間が長くなる傾向があることが背景にあります。
見た目や性格の好みが分かれやすく、特に初めて犬を飼う人にとっては“しつけが難しそう”と敬遠されがち。そのため、トイプードルや柴犬といった“飼いやすいイメージ”のある犬種と比べると選ばれにくい傾向があります。
また、ペットショップでは見た目が「子犬らしい」犬が先に売れていくため、顔立ちがシャープなパピヨンはどうしても後回しにされがち。そして在籍期間が延びると「売れ残り」というイメージがついてしまうという悪循環に。
しかし、これはあくまで「販売の現場の話」であり、実際に飼ってみればその魅力に気づく人が多いのもパピヨンの特徴です。
見た目や人気にとらわれず、「自分に合った犬種かどうか」で判断することが何より大切です。
パピヨンの欠点と飼いにくいと感じる理由
パピヨンの欠点は何ですか?性格・吠え・分離不安など
パピヨンの欠点としてよく挙げられるのは、**「神経質になりやすい」「よく吠える」「分離不安になりやすい」**といった行動面の特徴です。
見た目の優雅さとは裏腹に、実はとても活発で、知能が高いぶん刺激を求める傾向が強いため、退屈するとストレスをためて問題行動を起こしやすくなります。
特に、「インターホンや来客に対して過敏に反応し、よく吠える」「飼い主が離れると不安になって鳴き続ける」といった悩みは、集合住宅など静かな環境では大きな問題になりがちです。
また、甘えん坊な一面もあるため、しっかりと“人との距離感”を教える必要がある犬種でもあります。放っておくと、依存的な性格になりやすく、留守番に苦手意識を持ってしまう個体も。
こうした欠点は、「事前に知っておけば対処できる」ものでもあります。
しかし、見た目や小ささだけで選ぶと、“思ったより大変だった”と感じてしまう原因にもなるのです。
パピヨンは臭いますか?被毛や体質のケア事情
「パピヨンは臭いですか?」という声もありますが、結論から言えば犬種としては比較的“ニオイが少ない”部類に入ります。
体臭が強い犬種(例:ブルドッグ、ビーグルなど)に比べると、パピヨンは被毛がサラッとしており、皮脂分泌も少なめなため、臭いやベタつきが目立ちにくいのが特徴です。
ただし、長毛であることは間違いないので、ブラッシングやシャンプーなどの定期的なケアは必要不可欠です。特に耳の裏側や胸の飾り毛、足まわりなどは汚れが溜まりやすく、放っておくと臭いの原因になります。
また、口臭や涙やけも体臭と同様に“犬の清潔感”に影響するポイント。歯磨きや目元のケアを怠れば、どんな犬種でも「なんか臭うな…」と感じるようになります。
つまり、パピヨンが臭う=体質の問題ではなく、ケア不足が主な原因。逆に言えば、しっかりお手入れしていれば清潔感を保ちやすい犬種です。
パピヨン 飼うんじゃなかった…と後悔する人の共通点とは
「パピヨン飼うんじゃなかった…」と感じてしまう人には、ある共通点が見られます。それは、“パピヨンを小型でおとなしい犬”と誤解していたことです。
パピヨンは小柄ですが、元気いっぱいで運動量が多く、一緒に遊んだり、頭を使うしつけやトレーニングが不可欠なタイプ。
「抱っこ犬」「室内で静かに過ごすだけでいい」と考えて迎えた場合、そのギャップにストレスを感じることがあります。
また、感情表現が豊かで、吠え・甘え・主張がハッキリしているため、“静かで控えめな犬”を期待していた人には手がかかると感じられるかもしれません。
さらに、留守番が苦手な子も多いため、共働きや一人暮らしで日中のケアが難しい家庭には向いていない場合も。
後悔する人は、こうした“犬種の本質”を知らずに見た目だけで選んでしまったことが原因になっていることが多いのです。
パピヨン 飼いにくいと感じるのはどんな場面?
パピヨンを「飼いにくい」と感じるのは、主に以下のような場面です。
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来客や物音に過敏に反応して吠えるとき
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留守番中に不安行動を起こすとき
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散歩で他の犬に対して強気な態度を見せるとき
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退屈すると家具や物を噛む・イタズラする傾向が出るとき
特に、知能が高いぶん、刺激が足りないと問題行動に発展しやすいのがパピヨンの特徴です。
しつけは通じやすい反面、“人の行動パターンを読む”能力も高いため、甘やかすとすぐに主従関係が逆転してしまうケースも。
また、運動や遊びの要求も高めなので、「忙しくてかまってあげられない日が多い」という方には少しハードルが高いかもしれません。
つまり、「手がかからない犬を探している」人には向かないですが、しっかり関わりたい人には最高のパートナーになれる犬種なのです。
実は超優秀?パピヨンの知能と性格のギャップ
パピヨン 賢すぎるって本当?しつけや刺激が必要な理由
パピヨンは「賢すぎる」と言われるほど、非常に高い知能を持つ犬種です。スタンレー・コレン教授による犬種別知能ランキングでは、トップ10入りの常連であり、基本指示(おすわり・待て・おいでなど)は数回で覚えるほどの理解力を誇ります。
ただし、それは裏を返せば「常に頭を使わせる必要がある犬種」ということ。
パピヨンは単純作業やルーティンに飽きやすく、退屈するとイタズラや吠え、ストレス行動に出やすいため、しつけだけでなく、“頭を使う遊び”やコミュニケーションの時間が欠かせません。
また、人間の感情にも非常に敏感で、「空気を読む力」がある半面、ストレスを受けやすいという繊細な一面も。中途半端なしつけや曖昧な態度を見抜いてしまい、自分が主導権を握ろうとする個体もいます。
このように「賢さ=しつけが簡単」と思われがちですが、実際には知能が高いからこその“扱いの難しさ”がある犬種だと言えるでしょう。
知能が高い犬種ゆえの“扱いづらさ”とは?
パピヨンのように知能の高い犬種は、一見するとしつけがしやすく、飼いやすそうに思われがちです。
しかし、実際には「言葉の意味を理解しているからこそ、無視したり、試すような行動を取る」という、**“頭がいい犬ならではの問題”**が出てくることがあります。
例えば、「ここでは吠えたらかまってもらえる」「このタイミングで要求すれば反応がある」など、人間の行動を分析して“操作する”かのような振る舞いを見せる個体も。
また、毎日同じ散歩コースや刺激のない日常に飽きると、わざと悪さをして注意を引こうとする行動も見られます。
つまり、知能が高い=コミュニケーション能力が高いぶん、適切に対応しないと「賢い問題児」にもなり得るのです。
このような一面は、犬に多くを求めすぎない人や、のんびりした飼育スタイルを望む人には「飼いにくい」と感じられる理由のひとつかもしれません。
パピヨンを飼うのに向いている人は?理想の飼い主像
パピヨンを飼うのに向いている人は、犬との関わりを“一緒に学び、遊び、育てていくパートナー”と捉えられるタイプです。
たとえば、以下のような人が理想的な飼い主像に近いでしょう:
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毎日しっかりコミュニケーションや遊びの時間をとれる人
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しつけを根気よく続けられる人(特に一貫性がある人)
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犬の感情の変化に気づける観察力のある人
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頭の良い犬と楽しくトレーニングしたい人
逆に、「吠えない犬がいい」「留守番が長くなる」「抱っこして過ごしたい」といったライフスタイルの方には、少しハードルが高くなる可能性があります。
とはいえ、しっかりと関われば、知能の高さ・忠誠心・運動能力の高さを活かして、理想的な相棒になってくれるのがパピヨンです。
大事なのは、「自分の生活スタイルと犬種の特性がマッチしているかどうか」。これが、後悔しない飼い方の第一歩です。
パピヨンを迎える前に知っておきたい現実と向き合い方
パピヨンの寿命は?長生きだからこその責任
パピヨンは小型犬の中でも特に寿命が長い犬種として知られており、平均寿命は13〜16歳、個体によっては18歳を超えることもあると言われています。
長寿は素晴らしいことですが、それは同時に「長い年月、責任を持って世話をし続けなければならない」という意味でもあります。
特に高齢期には、白内障や心臓疾患、歯周病といった年齢特有の疾患も出てきやすく、介護的なケアが必要になることもあります。
また、長生きするほど医療費もかかる可能性があるため、飼育にかかる総コストの把握や、ペット保険の加入なども視野に入れておくと安心です。
「寿命が長い=お得」と考えるのではなく、“家族として長く向き合う覚悟があるか”が問われる犬種とも言えるでしょう。
譲渡・ブリーダー選びの注意点と「パピヨン 子犬 譲ります」の罠
「パピヨン 子犬 譲ります」などの個人掲示板やSNSでの譲渡情報には注意が必要です。中には良心的なブリーダーや保護活動者もいますが、健康状態の確認やワクチン接種が不明確な場合、リスクを伴うことがあります。
また、「格安で譲ります」といった文言には裏があることも。遺伝疾患を抱えている子犬、社会化トレーニングが不十分な子犬、転売目的のブリーダーによるケースなど、トラブルに発展しやすいため、信頼できる譲渡元を慎重に選ぶことが大切です。
理想は、信頼性の高いブリーダーや保護団体から迎えること。性格や健康状態の情報、親犬の環境、しつけ状況までしっかり説明してくれる相手であれば、迎え入れた後も安心できます。
「安さ」だけで判断せず、10年以上の付き合いになる家族だからこそ、選ぶときは“信頼”が第一です。
まとめ|誤解されがちだけど実は魅力的な犬種
パピヨンは「人気がない」と言われることもありますが、それは見た目の好みや知能の高さゆえのギャップが誤解されているだけのことがほとんどです。
実際には、賢くて活発、人に忠実で愛情深く、小さな体に大きな魅力を持った犬種。
しっかり向き合える飼い主と出会えれば、最高のパートナーになってくれることでしょう。
記事全体まとめ
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パピヨンが人気ないとされる理由には、見た目や性格に対する誤解が多く含まれています。
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顔立ちや大きな耳が好みの分かれるポイントで、「気持ち悪い」と感じる人もいるようです。
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パピヨンは需要が少ないため価格が安く、結果的に「価値が低い」と誤解されやすい傾向があります。
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一部のペットショップで売れ残るケースがあるのは、トイプードルなど他犬種と比べて選ばれにくいためです。
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吠えやすさ、分離不安、繊細な性格などが「飼いにくい」とされる主な欠点です。
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臭いに関しては比較的少ない方で、日常のケア次第で清潔に保つことが可能です。
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パピヨンは非常に賢いため、刺激やしつけをしっかり行わないと問題行動につながることがあります。
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理想の飼い主は、毎日のコミュニケーションやトレーニングを楽しめる人です。
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平均寿命は長く、家族として10年以上共に暮らす覚悟が求められます。
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譲渡や購入の際は信頼できるブリーダーや団体から迎えることが後悔しない第一歩です。
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